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「大徳寺で坐禅(ざぜん)をしたい」と思って調べはじめると、少し混乱する人もいるかもしれません。
理由はひとつで、大徳寺の本坊(ほんぼう)には、一般向けの坐禅会がありません。本坊は特別公開のとき以外は拝観もできず、しかも2020年秋から10年ほどの大規模な修復に入っています。つまり、いま大徳寺で坐禅をするなら、行き先は大徳寺の塔頭(たっちゅう)寺院です。
そして、その塔頭の坐禅が面白い。椅子に坐って脚を組まない朝の会と、警策(きょうさく)が飛ぶ夕方の会が、同じ境内のなかに並んで存在しています。方向性がまるで逆なので、どちらを選ぶかで体験がまったく変わります。
この記事では、大徳寺で坐禅ができる大慈院(だいじいん)と大仙院(だいせんいん)を、料金・予約方法・当日の流れまで比較しました。坐禅の前後に歩きたい境内の見どころもまとめています。
なお「座禅」と書かれることもありますが、お釈迦様が屋根のない場所で坐禅をしたことから、本来はまだれ(屋根)のつかない「坐禅」が正しい表記とされています。この記事では「坐禅」に統一しますが、なじみのある書き方と同じ意味と考えてください(大仙院は公式に「座禅」の字を使っているため、固有の名称はそのまま表記します)。
※掲載情報は各寺院の公式サイト・公式予約ページをもとに確認したものです(情報確認日:2026年8月)。開催日程・料金は変更になる場合があるため、参加前に必ず各寺院にご確認ください。
- 大徳寺で坐禅ができる2つの塔頭と、それぞれの性格の違い
- 大慈院の坐禅は「朝・オンライン・夜」の3つがあり、料金も参加方法も違うこと
- 大仙院の定期座禅の料金・時間・予約のしかたと、拝観を坐禅の前にすませるべき理由
- 坐禅の前後に歩きたい境内の見どころと、通年で拝観できる塔頭
大徳寺で坐禅ができるのは「塔頭」寺院——本坊ではありません
大徳寺は、正和4年(1315年)に大燈国師(だいとうこくし)が開いた臨済宗大徳寺派の大本山です。一休宗純(いっきゅうそうじゅん)が再興し、千利休や沢庵和尚が活躍した場所でもあります。境内には同じ場所に22の塔頭が並び、ひとつの寺町のような規模になっています。
この「塔頭が多い」という構造が、大徳寺の坐禅を少しわかりにくくしています。坐禅会を開いているのは本坊ではなく、それぞれ独立した塔頭なので、探すときは塔頭の名前で調べる必要があるわけです。
現在、一般の人が参加できる坐禅は私が調べた限りでは次の2ヶ所です。
| 大慈院「ゆる坐禅」など | 大仙院「定期座禅」など | |
|---|---|---|
| 坐禅会名 | ・朝のゆる坐禅 (ほかZOOM坐禅、夜空の坐禅あり) | ・定期座禅コース (ほか座禅スタンダード、座禅プレミアム、修学旅行コースあり) |
| 坐り方 | 椅子・脚を組まない 住職考案の体操でリラックス | 畳に坐って脚を組む (椅子の用意も可・数に限りあり) |
| 警策 | なし | あり(合掌で合図して受ける) |
| 時間帯 | 朝8:00〜 | 夕方16:30〜17:45 |
| 開催 | 限定日(カレンダーで確認・土日) | 毎週土日+毎月24日 |
| 入口の料金 | 1,500円(朝坐禅のみ) 3,500円(朝坐禅&朝食) | 1,500円+拝観料 |
| 支払い | 事前クレジットカード決済 | 当日現金のみ(カード不可) |
| 予約 | 必須(2日前10時まで) | 事前予約推奨(電話が基本) |
| お茶や料理 | 朝坐禅&朝食プランは精進料理付き | 抹茶とお菓子つき |
| 英語 | 公式に英語サイトあり (会ごとの対応は要確認) | 英語での説明あり(要事前予約) |
先に結論を書いておくと、脚を組むのが不安な方・朝型の方は大慈院、本式の坐禅を体験したい方・夕方に時間が空く方は大仙院です。どちらも入口の料金は1,500円で、初めての方でも参加できます。「せっかくだから警策で叩かれてみたい」という方は、迷わず大仙院へ。
本坊は約10年の修復中——境内の散策はでき、伽藍の特別公開もあります
大徳寺の本坊は、国宝の唐門と方丈、重要文化財の法堂・仏殿・三門を持つ、まさに中心にあたる場所です。狩野探幽の『雲龍図』もここにあります。ただ、特別の場合を除いて一般拝観は行っていません。2020年秋からは約10年におよぶ大規模な修復に入っており、方丈の修繕は2026年10月までの予定とされています。
とはいえ「もう何も見られない」というわけではありません。2023年以降は「京の冬の旅」や京都春秋の特別公開で、仏殿と法堂の内部に入れる機会がむしろ増えています。年によっては三門・唐門・経蔵が公開エリアに加わることもあるので、旅の時期が決まったら特別公開の情報も逐一、確認してみてください。
そして境内そのものは自由に歩けます。勅使門・三門・仏殿・法堂が南から一直線に並ぶ伽藍配置は、参道からでも十分に伝わってきます。松並木の参道を歩くだけでも、ここが特別な場所だということはわかると思います。坐禅の前後に、ぜひ歩いてみてください。
大慈院の「ゆる坐禅」——椅子に坐る、脚を組まない
大慈院は普段は一般公開されていない塔頭で、坐禅体験などの取り組みに参加する人だけが入れます。天正13年(1585年)、織田信長の姉・安養院らによって創建されたお寺です。
住職の戸田惺山(とだ せいざん)さんが提唱しているのが「セルフメンテナンス&ゆる坐禅」。椅子に坐って行うので、脚を組みません。坐禅の要素を「脱力・呼吸・姿勢・重心・陰陽」の5つに分けて説明してくれるので、初めてでも何をしているのかがわかります。
面白いのは、本堂に寝転んで坐禅の姿勢を覚えるという手順があること。本来の坐禅は腕や脚の内側を上に向けて坐りますが、これは難易度が高い。そこで、いったん畳に寝転んで同じ形をつくり、体に覚えさせてから起き上がる、という順序をとります。「坐禅=我慢」というイメージとは正反対の入り方ですよね。
その大慈院の坐禅は、公式サイトで3つの会が案内されています。時間帯も料金も申し込み先も違うので、先に整理しておきます。
| 会 | 開催 | 料金 | 申し込み先 |
|---|---|---|---|
| 朝のゆる坐禅 (坐禅のみ) | 限定日 8:00〜9:00 (土日) | 1,500円 | 公式サイト → 京都市観光協会の予約システム |
| 朝のゆる坐禅 (朝食つき) | 限定日 8:00〜10:00 (土日) | 3,500円 | 同上 |
| ZOOM坐禅 | 月〜土 6:00〜6:30 | 無料 | 予約不要/公式サイトのリンクから入室 |
| 夜空の坐禅 | 不定期・夜 | 4,000円 (夕食つき) | 外部の特設ページからチケット購入 |
朝のゆる坐禅(1,500円)——精進料理の朝ごはんもつけられる
| 開催 | 通年(限定日・土日多め)/設定日は予約カレンダーで確認 |
| 時間 | ①朝坐禅+朝ごはん 8:00〜10:00/②朝坐禅のみ 8:00〜9:00 |
| 料金 | ①3,500円/②1,500円(おとな・こども同額・事前カード決済) |
| 予約 | 参加希望日の2日前10:00まで |
| キャンセル | 予約完了後のキャンセルは1名100円の決済手数料/2日前10:00以降は全額。予約内容の変更はできず、キャンセルして取り直しになります |
| 定員 | 各回1〜10名 |
| 流れ | 8:00 坐禅1回目 → 8:10 セルフメンテナンス → 8:40 坐禅2回目 → 8:55 終了 →(①のみ)9:00 精進料理 |
| 服装・持ち物 | 動きやすい服装(パンツスタイル推奨)/タオル1本(体操で使います) |
| 特典 | ZOOMゆる坐禅のアドレス授与つき/弁財天の御朱印も授与(1枚300円) |
| 公式サイト | daitokujidaijiin.com |
これが大慈院の基本の会です。予約は公式サイトのボタンから京都市観光協会の予約システムへ進む形で、2日前の10時が締め切り。旅行の日程が決まったら早めに押さえておくのが安全です。各回10名までなので、そもそも枠がそれほど多くありません。
個人的にいいなと思うのが、朝ごはんつきプラン(3,500円)。大慈院の境内には精進料理の名店「泉仙(いずせん)」の大慈院店があり、そのお膳を坐禅のあとにいただけます。差額2,000円で禅寺の朝食まで体験できるなら、旅の朝としてはかなり贅沢だと思います。
持ち物にタオル1本とあるのを見落とさないでください。住職考案の体操で使います。この体操は「自宅で毎朝つづけられるもの」として設計されていて、帰ってからも続けられるのがこの会の特徴です。
ZOOM坐禅(無料)——月曜から土曜の朝、自宅から
大慈院は月曜から土曜の朝6:00〜6:30、Zoomでの坐禅も開いています。参加費は無料で、申し込みも不要。京都まで行けない方でも、大慈院の坐禅に触れることができます。
入室に必要な情報は公式サイトの坐禅ページに掲載されています。日程やパスコードが変わることもあるので、参加する日の朝に公式サイトを開いて確認してください。同じページからは「ゆる坐禅」のやり方をまとめたPDFもダウンロードできますし、坐禅の様子はYouTubeでも公開されています。どんな会なのか、参加する前に雰囲気をつかんでおけます。
オンラインで坐れる会をほかにも探している方は、こちらにまとめています。
夜空の坐禅(4,000円)——夜の境内で坐り、みんなで食卓を囲む
| 開催 | 不定期(公式サイトのページから確認) |
| 料金 | 4,000円(税込・坐禅指導料と食事込み) |
| 流れ | 18:45 受付開始 → 19:00〜19:30 坐禅1回目+体操 → 19:35〜20:00 坐禅2回目 → 20:00〜21:00 お茶と食事・僧侶や参加者との交流会 |
| 食事 | 出張料理ユニットによる香港料理。広東粥の御膳(広東粥・香港風焼きそば・大慈院の畑で採れた野菜の一品・小鉢など)/※季節により内容が変わります |
| 予約 | 外部の特設ページからチケットを購入する形式 |
| 注意 | 準備の都合で、受付開始時刻より前は境内に入れません |
3つのなかでいちばん異色なのが、この夜の会です。そもそも夜にお寺の境内へ入れる機会自体がほとんどありません。しかも大慈院は普段非公開の塔頭ですから、二重の意味で貴重な時間だと思います。
もうひとつの特徴が食事つきであること。坐禅のあとは参加者みんなで食卓を囲みます。使われるのは大慈院の和尚さんが自分で育てた野菜で、それを香港出身の料理人が広東風に仕立てる、という組み合わせ。禅寺の夜に広東粥、という取り合わせがまず面白いですよね。食後は僧侶や参加者同士で話す時間もあります。
注意したいのが開催日です。毎月決まった曜日ではなく、回ごとに日程が告知される形。参加費も回によって変わってきた経緯があります(過去には3,000円台の回もあったようです)。行きたい月が決まっているなら、大慈院の公式サイトかInstagramで最新の告知を確認してから予定を組んでください。
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大慈院の朝坐禅は8時開始。前泊するなら北大路・西陣あたりが便利です。金閣寺や今宮神社も近く、洛北をゆっくり歩く旅になります。
※ プラン内容・料金は各予約サイトの公式ページでご確認ください。
大仙院の「定期座禅」——警策のある、本式の坐禅
大慈院とは対照的に、大仙院は畳に坐り、警策も飛ぶ本式の会です。しかも通年拝観している塔頭。ただし坐禅は閉門後の開催で、坐禅のあとは拝観ができません。庭や方丈を見るなら坐禅の前に、が鉄則です。
定期座禅(1,500円+拝観料)——毎週土日と毎月24日
| 宗派 | 臨済宗大徳寺派(大徳寺塔頭・北派本庵) |
| 開催 | 毎週土曜・日曜+毎月24日 16:30〜17:45(拝観の受付が終わったあと・閉門後の開催/開催がない日もあり) |
| 料金 | 1,500円+別途拝観料(大人500円)=実質2,000円ほど |
| 支払い | 現金のみ(クレジットカード等は利用できません) |
| 内容 | 座禅60分(25分×2回) → 茶礼10分程度(抹茶とお菓子) |
| 集合 | 開始5分前まで/坐禅後は拝観できないため、庭を見るならさらに早めに |
| 人数 | 1名から申し込み可 |
| 予約 | 申し込みは電話(075-491-8346/9:00〜16:30)が基本、公式サイトのフォームからも可/空きがあれば当日参加もできますが、公式には「必ず事前にご予約ください」との記載もあるため、押さえておくのが確実です |
| 坐り方 | 畳に坐って脚を組む。数に限りはありますが椅子を用意してもらうことも可能/途中で足を崩してもかまいません |
| 服装・持ち物 | 持ち物は特になし/締め付けのない楽な服装で。スカートの方には作務衣の貸し出しあり |
| 子ども | 25分×2回を静かに過ごせるようであれば年齢の制限なし |
| 警策 | あり(集中が切れたら合掌で合図し、背中を打ってもらう) |
| 外国語 | 海外の方には英語での説明あり(事前予約時に希望を伝えてください) |
| 拝観 | 9:00〜16:30/大人500円・小中学生300円・抹茶500円/年中無休(臨時で時間変更の場合あり) |
| 住所・電話 | 京都市北区紫野大徳寺町54-1/075-491-8346(9:00〜16:30) |
| 公式サイト | daisen-in.net |
毎月24日に行われるのは「報恩坐禅会」といって、開祖・大聖国師のご命日(2月24日)にちなんだ会です。土日の定期座禅と同じ時間・同じ料金で参加できます。
料金について少し補足すると、公式サイトの「1,500円」は座禅の参加費で、拝観料は別途です。大人の拝観料が500円なので、実際に払うのは2,000円ほどと考えておくと間違いありません。支払いは現金のみなので、カードしか持たずに向かわないよう気をつけてください。
会の流れはシンプルで、到着したらすぐ座禅が始まり、25分×2回で計60分坐ったあとに、全員で抹茶をいただきながら歓談する、という構成。初めての人も毎週来ている人も、同じように坐りますと公式に書かれています。手取り足取りの指導を期待して行くと少し戸惑うかもしれませんが、逆に言えば「お客さん扱いされない」ということでもあり、定期的に続けていく意志のある方に向いている会かなと思います。
ひとつ補足を。「畳に脚を組む」のが大仙院の基本ですが、公式には数に限りはあるものの椅子を用意してもらえるとあり、途中で足がつらくなったら崩してよいとも書かれています。脚が組めないから大仙院は無理、と決めつけなくて大丈夫です。予約のときにひとこと伝えておくと安心ですし、スカートの方には作務衣の貸し出しもあります。
不安な方は、坐り方だけ先に頭に入れておくと落ち着いて坐れます。
なお大仙院には、このほかに団体・グループ向けの貸切コースもあります。1〜7名で通常非公開の茶室「㘞亭」を貸し切るプレミアムコース(1組30,000円〜・約90分)、最大80名までのスタンダードコース(1組45,000円〜・約80分)、そして30〜250名規模の修学旅行コース。いずれも英語対応が可能で、前日まで受け付ける事前予約制です。企業研修や海外からのお客様の案内で使われることが多いようで、ひとりで坐りたいなら定期座禅で十分だと思います。
国宝の方丈と、天下無双といわれる枯山水
大仙院は永正6年(1509年)の創建。本堂(方丈)は永正10年(1513年)の建立とされ、大徳寺の境内でもっとも古い禅宗客殿建築です。日本最古の「床の間」と「玄関」を持つ方丈建築として国宝に指定されています。襖絵は相阿弥・狩野元信・狩野之信という室町の巨匠たちの手によるもので、いずれも重要文化財。
そして庭。史跡・特別名勝の枯山水庭園は、京都府の観光サイトでも龍安寺の石庭とともに「天下無双の名園」と紹介されています。蓬莱山から落ちる滝、大海へ流れ込む水、宝船、鶴と亀、それらすべてを白砂と石で表しています。人生の流れを庭で説く、という言い方をされることが多く、坐る前にこれを見ておくと、その後の60分が少し違って感じられるはずです。
千利休が度々訪れた場所でもあり、沢庵和尚が書院「拾雲軒」で宮本武蔵に剣の極意を授けた、という言い伝えも残っています。歴史の濃度がかなり高いお寺です。
年2回の「禅寺体験教室」——子どもは無料、親子で参加できる
| 開催 | 春休み(3月第4日曜)と夏休み(8月第1日曜)の年2回 次回は2027年3月28日(日)と2027年8月1日(日)の予定 |
| 時間 | 10:00〜12:30(受付9:30〜) |
| 内容 | 茶礼 → 経文唱和 → 坐禅(30分×2回)→ 写経・作務 → 法話 → 抹茶 |
| 参加費 | 大人(高校生以上)1,500円/中学生以下無料/希望者のみ精進料理3,000円 ※拝観料は参加費に含まれます |
| 注意 | 小学生以下だけの参加は不可(必ず保護者同伴)/要予約 |
年に2回だけ開かれる、子ども向けの会です。坐禅だけでなく、法話・写経・経文の唱和・作務(掃除)まで、禅寺の一日をひととおり体験できます。子どもは本堂まわりの廊下を雑巾がけする、という内容で、中学生以下は無料。大人は1,500円で、希望すれば精進料理(3,000円)もつけられます。
ただ、この会は早い段階で満席になります。2026年8月2日(日)の夏の回は、7月7日の時点で定員に達して申し込みが締め切られました。次回は2027年3月28日(日)の春の回です。参加を考えるなら、公式サイトのお知らせをこまめに見ておくのがよさそうです。
もうひとつ、毎年3月17日には「古渓忌(こけいき)」という行事もあります。千利休が参禅した師である大仙院三世・古渓宗陳を偲ぶ会で、普段は公開していない茶室で薄茶を一服いただけます(9:30〜16:00・受付は15:30まで/2,500円・拝観料込み)。お茶が初めての方でも気軽に参加できるとのことです。
どちらを選ぶ?タイプ別の判断
| こんな人に | おすすめ |
|---|---|
| 脚が組めない・膝や腰に不安がある | 大慈院(椅子坐禅・脚を組まない) ※大仙院も椅子の用意あり(数に限りあり) |
| 朝の時間に坐りたい | 大慈院(8:00〜/朝ごはんつきも) |
| 夕方しか時間が空かない | 大仙院(16:30〜17:45) |
| 夜に坐ってみたい・食事も楽しみたい | 大慈院の夜空の坐禅(月1回程度・4,000円・食事つき) |
| 予定が直前まで決まらない | 大仙院(空きがあれば当日参加も一応可能・できれば予約推奨) |
| カードで支払いたい | 大慈院(事前カード決済)/大仙院は現金のみ |
| 警策を体験してみたい | 大仙院 |
| 庭や建築もじっくり見たい | 大仙院(国宝の方丈・特別名勝の庭。ただし坐禅の前に) |
| 海外の方と一緒に行く | 大仙院(英語での説明あり・要事前予約) |
| 子どもと一緒に | 大仙院(定期座禅も静かに坐れれば年齢制限なし/年2回の禅寺体験教室は中学生以下無料) |
| 京都まで行けない | 大慈院のZOOM坐禅(月〜土朝・無料) |
迷ったら、まず日程で絞るのがいちばん早いです。大慈院は限定日で2日前締め切り、大仙院は毎週土日と24日。旅行の日程を当てはめると、たいてい片方に決まります。両方とも入口は1,500円台なので、1泊するなら夕方に大仙院、翌朝に大慈院というはしごも成立します。性格が正反対なので、比べてみると坐禅というものの幅がよくわかると思います。
坐禅の前後に歩きたい、大徳寺の境内
三門「金毛閣」——千利休の切腹につながった楼門
境内でいちばん物語を持っているのが、重要文化財の三門「金毛閣(きんもうかく)」です。千利休がこの門の二階部分を増築して寄進し、「金毛閣」と名付けられたのが天正17年(1589年)。そこに自分の木像を置かせたため、その下を豊臣秀吉がくぐることになる。それが秀吉の逆鱗に触れ、天正19年(1591年)の利休切腹の一因になったと伝えられています。
いまは外から眺めるだけですが、そういう話を知って見上げると、ただの門ではなくなります。大徳寺が千利休の菩提寺であること、大仙院や大慈院で抹茶が出ること、全部が一本の線でつながっているのを感じられるはずです。
ほかにも通年で拝観できる大徳寺の塔頭寺院
| 塔頭 | 拝観料・時間 | 見どころ |
|---|---|---|
| 大仙院 | 500円 9:00〜16:30 | 国宝の方丈・特別名勝の枯山水。坐禅もここ |
| 龍源院 | 400円 9:00〜16:20 | 大徳寺で最も古い塔頭のひとつ。方丈は大仙院と並ぶ最古級 |
| 瑞峯院 | 400円 9:00〜17:00 | 大友宗麟が建立。重森三玲の「独座庭」と、十字架を隠した「閑眠庭」 |
| 黄梅院 | 1,000円 10:00〜15:30受付終了 | 千利休作庭と伝わる「直中庭」。春秋は京都春秋の特別公開(800円)もあり |
| 芳春院盆栽庭園 | 1,000円 10:00〜16:00 | 樹齢数百年の名品盆栽が並ぶ庭園(2021年開園) |
| 高桐院 | 拝観休止中 (再開未定) | 細川忠興・ガラシャ夫妻ゆかり。紅葉の名所として知られます |
坐禅とあわせて回るなら、瑞峯院がおすすめです。キリシタン大名・大友宗麟が建てたお寺で、北庭「閑眠庭」の石組みは十字架をかたどっているといわれます。禅寺のなかにキリスト教の意匠がある、というのは大徳寺らしい懐の深さだと思います。事前に予約をすれば、茶室「平成待庵」の特別拝観(1,500円・法話と抹茶つき/通常の拝観料込み)もできます。
紅葉で名高い高桐院を目当てに来る方も多いのですが、現在は拝観を休止しています(再開は未定)。出かける前にご確認ください。黄梅院と芳春院盆栽庭園は不定期の拝観休止日があるので、こちらも当日の告知を見てから向かうのが安全です。境外になりますが、雲林院は無料で参拝できます。
総見院・興臨院・真珠庵などは、春秋の特別公開のときに拝観できます。
大慈院は「大慈院」で検索しないでください
実用的な注意をひとつ。大慈院は公式が明言しているのですが、地図アプリで「大慈院」と検索すると、まったく違う住宅地に案内される可能性があり辿り着けません。
目的地には「大徳寺」または「大徳寺総門」と入れてください。総門から入ると案内地図があります。大慈院は興臨院・瑞峯院をさらに奥へ進んだ突き当たりです。朝8時開始の会に遅れると困るので、ここは本当に気をつけてください。公式サイトに場所の画像付きで行き方の案内がありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
アクセスは、地下鉄烏丸線「北大路」駅から市バス(102・204・205・206・M1系統)で「大徳寺前」下車、徒歩約8分。JR嵯峨野線「二条」駅からは206系統が使えます。車の場合、大仙院には駐車場がなく、公式でも周辺のコインパーキングの利用を案内しています。大徳寺の駐車場もありますが台数はそれほど多くないので、公共交通機関のほうが無難です。
よくある質問(FAQ)
Q. 大徳寺の本坊で坐禅会に参加できますか?
できません。本坊は特別の場合を除いて一般拝観そのものを行っておらず、一般向けの坐禅会もありません。2020年秋からは約10年におよぶ大規模な修復にも入っています。ただし2023年以降は、仏殿や法堂の内部に入れる特別公開が行われています。大徳寺で坐禅をしたい場合は、塔頭の大慈院か大仙院を選んでください。なお、境内の散策は自由にできます。
Q. 予約なしで行けますか?
大慈院の朝のゆる坐禅は予約が必須で、2日前の10時が締め切りです。夜空の坐禅もチケットの事前購入制。一方でZOOM坐禅は申し込み不要で、公式サイトのリンクからそのまま入室できます。大仙院の定期座禅は空きがあれば当日参加もできますが、公式には「必ず事前にご予約ください」との記載もあります。申し込みは電話(075-491-8346/9:00〜16:30)が基本で、公式サイトのフォームからも空き状況を確認できます。空振りすると悲しいので、先に確認しておくのがおすすめです。
Q. 脚が組めなくても大仙院に参加できますか?
参加できます。大仙院は畳に坐って脚を組むのが基本ですが、公式には数に限りはあるものの椅子を用意してもらえると書かれています。途中で足がつらくなったら崩してかまわない、とも案内されています。予約のときに希望を伝えておくと確実です。どうしても椅子で通したい場合は、はじめから椅子坐禅の大慈院を選ぶという手もあります。
Q. 警策で叩かれますか?痛いですか?
大仙院では警策がありますが、勝手に叩かれるわけではありません。集中が切れたときに自分から合掌で合図をして、受ける形です。希望しなければ受けずに坐り続けられます。音は大きいですが、背中(肩のあたり)の筋肉を打つので、想像しているほどの痛みではありません。大慈院の「ゆる坐禅」には警策そのものがありません。
Q. 英語での参加はできますか?
大仙院は、海外の方には英語での座禅の説明があります。ただし公式には「事前に予約している場合は可能」と書かれているので、申し込みのときに英語希望と伝えてください。貸切コースでも英語対応が可能です。大慈院は公式サイトに英語ページがありますが、会ごとの言語対応までは明記されていません。海外の方を確実に案内したいなら、英語対応を公表している大仙院が安心です。
Q. 京都のほかのお寺の坐禅も知りたいのですが
京都は坐禅体験ができるお寺がとても多いエリアです。ほぼ毎日開催で初心者の説明がていねいな勝林寺、庭園を望んで坐る両足院など、性格の違う会がそろっています。エリア別・タイプ別にまとめているので、こちらもどうぞ。
Q. 椅子坐禅を家でも続けたくなったら?
大慈院で椅子坐禅を体験して「これなら続けられそう」と思った方は、坐禅椅子という選択肢があります。普通の椅子でも坐れますが、坐禅用のものは座面の高さと角度が骨盤が立ちやすいように設計されていて、姿勢がぐっと楽になります。畳や床に坐るなら坐蒲(ざふ)を。
まとめ——同じ境内に、正反対のふたつの坐禅
大徳寺の坐禅を調べていて面白かったのは、椅子で脚を組まずに坐る会と、警策の飛ぶ会が、歩いて数分の距離に並んで存在していることでした。どちらも同じ大徳寺派で、どちらも1,500円から。禅というのは、思っているよりずっと幅のあるものなのだと思います。
- 脚が組めない・朝型 → 大慈院の朝のゆる坐禅(1,500円・要予約・2日前まで)
- 禅寺の朝ごはんまで → 大慈院+泉仙 大慈院店の精進料理(3,500円)
- 夜のお寺で坐って食事も → 大慈院の夜空の坐禅(月1回程度・4,000円・食事つき)
- 本式の坐禅・警策あり → 大仙院の定期座禅(毎週土日+24日・16:30〜・1,500円+拝観料500円・現金のみ)
- 庭も見たい → 大仙院。ただし坐禅のあとは拝観できないので、早めに着いて先に拝観を
- 子どもと一緒に → 大仙院の定期座禅(静かに坐れれば年齢制限なし)/年2回の禅寺体験教室(次回は2027年3月28日)
- 京都まで行けない → 大慈院のZOOM坐禅(月〜土 6:00〜6:30・無料)
掲載情報はすべて2026年8月時点のものです。開催日程・料金・参加条件は変更になる場合があるため、参加前に必ず各寺院の公式サイトでご確認ください。とくに大慈院は限定日開催で締め切りも早いので、日程が決まったら先に予約を押さえておくことをおすすめします。
ほかのエリアの坐禅体験はこちらもどうぞ。